シュヴァンクマイエル映画祭(4)オテサーネク、プログラムF
2015年 03月 12日
シュヴァンクマイエル映画祭2015も明日までとなりました。
私としては今日が最終日でしたので気合十分で出かけたところ開場の30分前に到着、
並んでいる人がいなかったのでイメージフォーラムの外観をパチリ。
今回の映画祭で初めて来館した映画館でしたが、階段にフライヤーを並べて置いてあって面白いし通っちゃいそうです
始めはプログラムB「オテサーネク」
チェコの民話を基にした長編です。
子供のできない夫婦が、庭で掘り起こした木の切り株を赤ちゃんとして育て始める。
しかし切り株の赤ちゃんは食欲旺盛でミルクや離乳食では足らず、飼い猫や訪ねてきた人々を襲い食べてしまう。
切り株が歯の生えた口でものを食べたり血がガラスに飛び散ったりと、なかなかホラーでスプラッタでした。。
それでもただ恐怖映画とならないのがシュヴァンクマイエル!
人を襲って食べたとわかっているのに、「息子」可愛さでかばい続ける両親の不気味さ。
狂気から切り株を本当の赤ん坊と信じているわけではなく、切り株の怪物(オテサーネク)とわかっていてそれでも「息子」として愛している気持ち悪さです。
さらに、階下の女の子は赤ん坊がオテサーネクと知りながら、地下室で世話をしはじめるのです。
お腹を空かせたオテサーネクのために、アパートの住人達をクジで選んでエサにしていきます。
そのくじ引きの中に自分の両親も含めているのですから、思わず「えぇ!?」と心の中で叫んでいました(;^^)
少女は決して「異常」なのではなく、純粋に自分が「守って」「世話」をすることに喜びを感じていたようです。
やだわ、スプラッタな場面よりも、じわじわ怖くなっていくわ。。
子どもって怖いわ。純真さって怖いわ。・゚・(゚`д´゚)・゚・。
引き続き、13時半からはFプログラム「部屋」「対話の可能性」など短篇7作を観ました。
私のお気に入りは、「部屋」と「地下室の怪」です。
男性が部屋からの理不尽ないじめにあう「部屋」は、気の毒なんだけどつい笑ってしまいます。
あの部屋から出られないのだとしたら、笑える話どころではないのだけど。
オチは結局なんだったのか、男性はその後どうなるのか気になるところですが、蛇足ってもんでしょう。
アパートの地下へジャガイモを取りに行った少女が、黒猫に邪魔されさまざまな怖い目にあう「地下室の怪」
きっと母親に「ジャガイモ持ってきて」とおつかいを頼まれたんだろうなあ。
暗くて湿った地下室がさまざまな怖い妄想を引き起こしたのだろうね。
(と、パンピーな頭は自分の理解しやすい方へもっていこうとするw)
階段をどんどん下って地下室へ入っていくって、それだけで怖いものね。。
というわけで、全6プログラムを観終わりました。
面白かったなあ!
受付で、アリスとオテサーネクのポストカードセットを購入。
DVDを買おうと思っていたのだけど、やっぱり映画館で観たいと思い直しやめました。
きっとまたどこかの映画館で上映してくれるだろうから、それを楽しみに待つことにします♪♪
by gin_no_tsuki
| 2015-03-12 23:34
| 映画