京極夏彦『厭な小説』読了
2009年 06月 15日
どんよりウンザリな感触の短篇集でした。
ことの大小は違えど、自分の日常にも”よくある”ような出来事ばかりなんです。
日々、誰でも感じるような”ちょっとした不快なこと”が、これでもかってくらい厭な方向にデフォルメされていくんです。
ありえないだろう!?と思いながらも、本を閉じて日常の雑事に戻った時、実際にわが身に起こってしまうのじゃないかと、ふと不安になります。
最初は、京極氏お得意の「怖い話」なのかと思って読んでいたんですけど、違いました。
「世にも奇妙な…」的なのですが、感じるのは”恐怖”ではありません。
はっきりとした感情ではなくて、なにかウンザリするような、もう勘弁してくれよぉって言いたくなるような。。漠然とした感覚です。
物語の内容だけでもそんな感じでウンザリなのに、各物語の扉頁に、時折つぶれた「蚊」が描かれています。
古本屋さんで本を買うと、死んだ蚊が頁に貼り付いていることがたまにありますよね。
頁を捲ってそれを見つけたとき、ものすごく腹立たしいわけではないけど、「うぁ…(=Д=;)」って気持ちになります。
わざわざ新刊本でそれを表現して、さらに厭な思いを私たち読者にさせようとしているんですよ、この装禎者は!ww
(まさか京極氏本人のアイデアなんじゃ…??ww)
厭だ。。。
面白くて夢中で読んだけど、当分、再読したくはないですね。。。ww
by gin_no_tsuki
| 2009-06-15 23:05
| 本