中年主婦の道楽な日々


by 鬼灯 (きちょう) ~ funka_omi~
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『ネクロフィリア』ヴィットコップ/国書刊行会 読了

ネクロフィリア

ガブリエル ヴィットコップ / 国書刊行会

スコア:



死体を墓から掘り起こして自宅へ持ち帰り、性の対象として愛(いと)おしむ。
腐敗し崩れていく”肉体”に対し、刹那であればこその深い愛情を傾ける。
愛し終えた死体は、別れを惜しみながらセーヌ川へ流す。。。

時代の違いか、それとも信仰の有無の違いなんでしょうか。。
「衝撃の<黒い文学>」「禁断の書物」という煽り文句に惹かれて読みましたが、さほど衝撃的でも気持ち悪くも無かったですね。
死体との性行為というだけなら、江戸川乱歩の『蟲』のほうが、かなりインパクト強かったですし!ww
まあ、征木は憧れの女性を殺して我が物にしただけで屍体愛好者ではないのですけど。

屍体愛好者の「日記」という形をとっているのですが、いたずらに大仰なシチュエーションに凝ることも無く、意外なほど淡々と物語は進んでいきます。
猟奇的な行動とは裏腹に、短い逢瀬を悲しむ主人公に憐れさえ感じます。

主人公の破滅を匂わせる終わり方をしていますが、個人的には破滅していく様を描いて欲しかった気もします。
いや、あえて書かずに、読み手に想像させるのがいいのかも、ですが。。

巻末の解説を読んで、作者が女性だと知り少々驚きました。
でもそう知って思い返してみれば、確かに主人公の男性の言動には女性的な”しなやかさ”というか”滑らかさ”があるようにも感じます。

不思議と、しっとりと優しい読後感でした。
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by gin_no_tsuki | 2009-06-25 23:02 |